シザンドラは、国内では本州(中部地方以北)・北海道・樺太、国外ではロシア(アムール地方)・中国・朝鮮半島の山地に自生する落葉性のつる植物で、雌雄異株(しゆういしゅ)です。
日本の山地にも自生していたのですが、1700年代前半薬用として中国から朝鮮を経由して日本に来たのでこの名があるようです。また、五味子(ゴミシ)とは、噛むと酸味・甘味・辛味・苦味・塩味の五種類の味が同時にすることからつけられた名前だと言われています。
シザンドラが大変重要なハーブとして認識されていた歴史は古く、16世紀に書かれた中国の薬物書の中で既に最高級の評価を得ています。中国王朝や高名な思想家に愛されていた理由は、シザンドラの持つ美肌作用・記憶力向上・催淫作用からでした。その効能は「チョウセンゴミシの3つの宝」と表現されるほどでした。また、薬用以外にスープの材料として使われていたそうです。
その顕著な効能の1つとしてあげられるのは強精ですが、男性・女性両方に対して効果があり、特に男性に対しては精力増加を期待できます。
古来より男性の強壮剤として有名なシザンドラですが、現代の研究で仕事効率の向上・体力増強・疲労回復・緩やかな鎮静作用のほか、肝炎の治療に効果があったり老化現象の防止に大変役立ったりすることが発見され、その上、ほとんど副作用がないことで注目を集めています。この効果を利用して、アスリートの運動能力向上等の研究も行われています。
シザンドラの主成分は、リグナン、多数の酸、精油等を含む複合体です。リグナンは多くの植物に含まれる抗酸化物質で、
強い抗酸化性と
肝臓保護作用(肝炎患者の治療に対して76%が有効との報告あり)など様々な医学的有効作用があると言われています。